I want to love you more!

Friday, February 11, 2011

ルカによる福音 (二十一、二十二、二十三、二十四章)

ルカによる福音

21:01

イエスは目を上げて、金持ちたちが賽銭箱に献金を入れるのを見ておられた。 21:02そして、ある貧しいやもめがレプトン銅貨二枚を入れるのを見て、 21:03言われた。「確かに言っておくが、この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた。 21:04あの金持ちたちは皆、有り余る中から献金したが、この人は、乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである。」

21:05ある人たちが、神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを話していると、イエスは言われた。 21:06「あなたがたはこれらの物に見とれているが、一つの石も崩されずに他の石の上に残ることのない日が来る。」

21:07そこで、彼らはイエスに尋ねた。「先生、では、そのことはいつ起こるのですか。また、そのことが起こるときには、どんな徴があるのですか。」 21:08イエスは言われた。「惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『わたしがそれだ』とか、『時が近づいた』とか言うが、ついて行ってはならない。 21:09戦争とか暴動のことを聞いても、おびえてはならない。こういうことがまず起こるに決まっているが、世の終わりはすぐには来ないからである。」 21:10そして更に、言われた。「民は民に、国は国に敵対して立ち上がる。 21:11そして、大きな地震があり、方々に飢饉や疫病が起こり、恐ろしい現象や著しい徴が天に現れる。 21:12しかし、これらのことがすべて起こる前に、人々はあなたがたに手を下して迫害し、会堂や牢に引き渡し、わたしの名のために王や総督の前に引っ張って行く。 21:13それはあなたがたにとって証しをする機会となる。 21:14だから、前もって弁明の準備をするまいと、心に決めなさい。 21:15どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を、わたしがあなたがたに授けるからである。 21:16あなたがたは親、兄弟、親族、友人にまで裏切られる。中には殺される者もいる。 21:17また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。 21:18しかし、あなたがたの髪の毛の一本も決してなくならない。 21:19忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」

21:20「エルサレムが軍隊に囲まれるのを見たら、その滅亡が近づいたことを悟りなさい。 21:21そのとき、ユダヤにいる人々は山に逃げなさい。都の中にいる人々は、そこから立ち退きなさい。田舎にいる人々は都に入ってはならない。 21:22書かれていることがことごとく実現する報復の日だからである。 21:23それらの日には、身重の女と乳飲み子を持つ女は不幸だ。この地には大きな苦しみがあり、この民には神の怒りが下るからである。 21:24人々は剣の刃に倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる。異邦人の時代が完了するまで、エルサレムは異邦人に踏み荒らされる。」

21:25「それから、太陽と月と星に徴が現れる。地上では海がどよめき荒れ狂うので、諸国の民は、なすすべを知らず、不安に陥る。 21:26人々は、この世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさのあまり気を失うだろう。天体が揺り動かされるからである。 21:27そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。 21:28このようなことが起こり始めたら、身を起こして頭を上げなさい。あなたがたの解放の時が近いからだ。」

21:29それから、イエスはたとえを話された。「いちじくの木や、ほかのすべての木を見なさい。 21:30葉が出始めると、それを見て、既に夏の近づいたことがおのずと分かる。 21:31それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、神の国が近づいていると悟りなさい。 21:32はっきり言っておく。すべてのことが起こるまでは、この時代は決して滅びない。 21:33天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」

21:34「放縦や深酒や生活の煩いで、心が鈍くならないように注意しなさい。さもないと、その日が不意に罠のようにあなたがたを襲うことになる。 21:35その日は、地の表のあらゆる所に住む人々すべてに襲いかかるからである。 21:36しかし、あなたがたは、起ころうとしているこれらすべてのことから逃れて、人の子の前に立つことができるように、いつも目を覚まして祈りなさい。」 21:37それからイエスは、日中は神殿の境内で教え、夜は出て行って「オリーブ畑」と呼ばれる山で過ごされた。 21:38民衆は皆、話を聞こうとして、神殿の境内にいるイエスのもとに朝早くから集まって来た。
22:01

さて、過越祭と言われている除酵祭が近づいていた。 22:02祭司長たちや律法学者たちは、イエスを殺すにはどうしたらよいかと考えていた。彼らは民衆を恐れていたのである。 22:03しかし、十二人の中の一人で、イスカリオテと呼ばれるユダの中に、サタンが入った。 22:04ユダは祭司長たちや神殿守衛長たちのもとに行き、どのようにしてイエスを引き渡そうかと相談をもちかけた。 22:05彼らは喜び、ユダに金を与えることに決めた。 22:06ユダは承諾して、群衆のいないときにイエスを引き渡そうと、良い機会をねらっていた。

22:07過越の小羊を屠るべき除酵祭の日が来た。 22:08イエスはペトロとヨハネとを使いに出そうとして、「行って過越の食事ができるように準備しなさい」と言われた。 22:09二人が、「どこに用意いたしましょうか」と言うと、 22:10イエスは言われた。「都に入ると、水がめを運んでいる男に出会う。その人が入る家までついて行き、 22:11家の主人にはこう言いなさい。『先生が、「弟子たちと一緒に過越の食事をする部屋はどこか」とあなたに言っています。』 22:12すると、席の整った二階の広間を見せてくれるから、そこに準備をしておきなさい。」 22:13二人が行ってみると、イエスが言われたとおりだったので、過越の食事を準備した。

22:14時刻になったので、イエスは食事の席に着かれたが、使徒たちも一緒だった。 22:15イエスは言われた。「苦しみを受ける前に、あなたがたと共にこの過越の食事をしたいと、わたしは切に願っていた。 22:16言っておくが、神の国で過越が成し遂げられるまで、わたしは決してこの過越の食事をとることはない。」 22:17そして、イエスは杯を取り上げ、感謝の祈りを唱えてから言われた。「これを取り、互いに回して飲みなさい。 22:18言っておくが、神の国が来るまで、わたしは今後ぶどうの実から作ったものを飲むことは決してあるまい。」 22:19それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。「これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。」 22:20食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。「この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である。 22:21しかし、見よ、わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている。 22:22人の子は、定められたとおり去って行く。だが、人の子を裏切るその者は不幸だ。」 22:23そこで使徒たちは、自分たちのうち、いったいだれが、そんなことをしようとしているのかと互いに議論をし始めた。

22:24また、使徒たちの間に、自分たちのうちでだれがいちばん偉いだろうか、という議論も起こった。 22:25そこで、イエスは言われた。「異邦人の間では、王が民を支配し、民の上に権力を振るう者が守護者と呼ばれている。 22:26しかし、あなたがたはそれではいけない。あなたがたの中でいちばん偉い人は、いちばん若い者のようになり、上に立つ人は、仕える者のようになりなさい。 22:27食事の席に着く人と給仕する者とは、どちらが偉いか。食事の席に着く人ではないか。しかし、わたしはあなたがたの中で、いわば給仕する者である。 22:28あなたがたは、わたしが種々の試練に遭ったとき、絶えずわたしと一緒に踏みとどまってくれた。 22:29だから、わたしの父がわたしに支配権をゆだねてくださったように、わたしもあなたがたにそれをゆだねる。 22:30あなたがたは、わたしの国でわたしの食事の席に着いて飲み食いを共にし、王座に座ってイスラエルの十二部族を治めることになる。」

22:31「シモン、シモン、サタンはあなたがたを、小麦のようにふるいにかけることを神に願って聞き入れられた。 22:32しかし、わたしはあなたのために、信仰が無くならないように祈った。だから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」 22:33するとシモンは、「主よ、御一緒になら、牢に入っても死んでもよいと覚悟しております」と言った。 22:34イエスは言われた。「ペトロ、言っておくが、あなたは今日、鶏が鳴くまでに、三度わたしを知らないと言うだろう。」

22:35それから、イエスは使徒たちに言われた。「財布も袋も履物も持たせずにあなたがたを遣わしたとき、何か不足したものがあったか。」彼らが、「いいえ、何もありませんでした」と言うと、 22:36イエスは言われた。「しかし今は、財布のある者は、それを持って行きなさい。袋も同じようにしなさい。剣のない者は、服を売ってそれを買いなさい。 22:37言っておくが、『その人は犯罪人の一人に数えられた』と書かれていることは、わたしの身に必ず実現する。わたしにかかわることは実現するからである。」 22:38そこで彼らが、「主よ、剣なら、このとおりここに二振りあります」と言うと、イエスは、「それでよい」と言われた。

22:39イエスがそこを出て、いつものようにオリーブ山に行かれると、弟子たちも従った。 22:40いつもの場所に来ると、イエスは弟子たちに、「誘惑に陥らないように祈りなさい」と言われた。 22:41そして自分は、石を投げて届くほどの所に離れ、ひざまずいてこう祈られた。 22:42「父よ、御心なら、この杯をわたしから取りのけてください。しかし、わたしの願いではなく、御心のままに行ってください。」〔 22:43すると、天使が天から現れて、イエスを力づけた。 22:44イエスは苦しみもだえ、いよいよ切に祈られた。汗が血の滴るように地面に落ちた。〕 22:45イエスが祈り終わって立ち上がり、弟子たちのところに戻って御覧になると、彼らは悲しみの果てに眠り込んでいた。 22:46イエスは言われた。「なぜ眠っているのか。誘惑に陥らぬよう、起きて祈っていなさい。」

22:47イエスがまだ話しておられると、群衆が現れ、十二人の一人でユダという者が先頭に立って、イエスに接吻をしようと近づいた。 22:48イエスは、「ユダ、あなたは接吻で人の子を裏切るのか」と言われた。 22:49イエスの周りにいた人々は事の成り行きを見て取り、「主よ、剣で切りつけましょうか」と言った。 22:50そのうちのある者が大祭司の手下に打ちかかって、その右の耳を切り落とした。 22:51そこでイエスは、「やめなさい。もうそれでよい」と言い、その耳に触れていやされた。 22:52それからイエスは、押し寄せて来た祭司長、神殿守衛長、長老たちに言われた。「まるで強盗にでも向かうように、剣や棒を持ってやって来たのか。 22:53わたしは毎日、神殿の境内で一緒にいたのに、あなたたちはわたしに手を下さなかった。だが、今はあなたたちの時で、闇が力を振るっている。」

22:54人々はイエスを捕らえ、引いて行き、大祭司の家に連れて入った。ペトロは遠く離れて従った。 22:55人々が屋敷の中庭の中央に火をたいて、一緒に座っていたので、ペトロも中に混じって腰を下ろした。 22:56するとある女中が、ペトロがたき火に照らされて座っているのを目にして、じっと見つめ、「この人も一緒にいました」と言った。 22:57しかし、ペトロはそれを打ち消して、「わたしはあの人を知らない」と言った。 22:58少したってから、ほかの人がペトロを見て、「お前もあの連中の仲間だ」と言うと、ペトロは、「いや、そうではない」と言った。 22:59一時間ほどたつと、また別の人が、「確かにこの人も一緒だった。ガリラヤの者だから」と言い張った。 22:60だが、ペトロは、「あなたの言うことは分からない」と言った。まだこう言い終わらないうちに、突然鶏が鳴いた。 22:61主は振り向いてペトロを見つめられた。ペトロは、「今日、鶏が鳴く前に、あなたは三度わたしを知らないと言うだろう」と言われた主の言葉を思い出した。 22:62そして外に出て、激しく泣いた。

22:63さて、見張りをしていた者たちは、イエスを侮辱したり殴ったりした。 22:64そして目隠しをして、「お前を殴ったのはだれか。言い当ててみろ」と尋ねた。 22:65そのほか、さまざまなことを言ってイエスをののしった。 22:66夜が明けると、民の長老会、祭司長たちや律法学者たちが集まった。そして、イエスを最高法院に連れ出して、 22:67「お前がメシアなら、そうだと言うがよい」と言った。イエスは言われた。「わたしが言っても、あなたたちは決して信じないだろう。 22:68わたしが尋ねても、決して答えないだろう。 22:69しかし、今から後、人の子は全能の神の右に座る。」 22:70そこで皆の者が、「では、お前は神の子か」と言うと、イエスは言われた。「わたしがそうだとは、あなたたちが言っている。」 22:71人々は、「これでもまだ証言が必要だろうか。我々は本人の口から聞いたのだ」と言った。
23:01

そこで、全会衆が立ち上がり、イエスをピラトのもとに連れて行った。 23:02そして、イエスをこう訴え始めた。「この男はわが民族を惑わし、皇帝に税を納めるのを禁じ、また、自分が王たるメシアだと言っていることが分かりました。」 23:03そこで、ピラトがイエスに、「お前がユダヤ人の王なのか」と尋問すると、イエスは、「それは、あなたが言っていることです」とお答えになった。 23:04ピラトは祭司長たちと群衆に、「わたしはこの男に何の罪も見いだせない」と言った。 23:05しかし彼らは、「この男は、ガリラヤから始めてこの都に至るまで、ユダヤ全土で教えながら、民衆を扇動しているのです」と言い張った。

23:06これを聞いたピラトは、この人はガリラヤ人かと尋ね、 23:07ヘロデの支配下にあることを知ると、イエスをヘロデのもとに送った。ヘロデも当時、エルサレムに滞在していたのである。 23:08彼はイエスを見ると、非常に喜んだ。というのは、イエスのうわさを聞いて、ずっと以前から会いたいと思っていたし、イエスが何かしるしを行うのを見たいと望んでいたからである。 23:09それで、いろいろと尋問したが、イエスは何もお答えにならなかった。 23:10祭司長たちと律法学者たちはそこにいて、イエスを激しく訴えた。 23:11ヘロデも自分の兵士たちと一緒にイエスをあざけり、侮辱したあげく、派手な衣を着せてピラトに送り返した。 23:12この日、ヘロデとピラトは仲がよくなった。それまでは互いに敵対していたのである。

23:13ピラトは、祭司長たちと議員たちと民衆とを呼び集めて、 23:14言った。「あなたたちは、この男を民衆を惑わす者としてわたしのところに連れて来た。わたしはあなたたちの前で取り調べたが、訴えているような犯罪はこの男には何も見つからなかった。 23:15ヘロデとても同じであった。それで、我々のもとに送り返してきたのだが、この男は死刑に当たるようなことは何もしていない。 23:16だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 23:17*祭りの度ごとに、ピラトは、囚人を一人彼らに釈放してやらなければならなかった。 23:18しかし、人々は一斉に、「その男を殺せ。バラバを釈放しろ」と叫んだ。 23:19このバラバは、都に起こった暴動と殺人のかどで投獄されていたのである。 23:20ピラトはイエスを釈放しようと思って、改めて呼びかけた。 23:21しかし人々は、「十字架につけろ、十字架につけろ」と叫び続けた。 23:22ピラトは三度目に言った。「いったい、どんな悪事を働いたと言うのか。この男には死刑に当たる犯罪は何も見つからなかった。だから、鞭で懲らしめて釈放しよう。」 23:23ところが人々は、イエスを十字架につけるようにあくまでも大声で要求し続けた。その声はますます強くなった。 23:24そこで、ピラトは彼らの要求をいれる決定を下した。 23:25そして、暴動と殺人のかどで投獄されていたバラバを要求どおりに釈放し、イエスの方は彼らに引き渡して、好きなようにさせた。

23:26人々はイエスを引いて行く途中、田舎から出て来たシモンというキレネ人を捕まえて、十字架を背負わせ、イエスの後ろから運ばせた。 23:27民衆と嘆き悲しむ婦人たちが大きな群れを成して、イエスに従った。 23:28イエスは婦人たちの方を振り向いて言われた。「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け。 23:29人々が、『子を産めない女、産んだことのない胎、乳を飲ませたことのない乳房は幸いだ』と言う日が来る。 23:30そのとき、人々は山に向かっては、『我々の上に崩れ落ちてくれ』と言い、丘に向かっては、『我々を覆ってくれ』と言い始める。 23:31『生の木』さえこうされるのなら、『枯れた木』はいったいどうなるのだろうか。」 23:32ほかにも、二人の犯罪人が、イエスと一緒に死刑にされるために、引かれて行った。 23:33「されこうべ」と呼ばれている所に来ると、そこで人々はイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人は右に一人は左に、十字架につけた。 23:34〔そのとき、イエスは言われた。「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです。」〕人々はくじを引いて、イエスの服を分け合った。 23:35民衆は立って見つめていた。議員たちも、あざ笑って言った。「他人を救ったのだ。もし神からのメシアで、選ばれた者なら、自分を救うがよい。」 23:36兵士たちもイエスに近寄り、酸いぶどう酒を突きつけながら侮辱して、 23:37言った。「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ。」 23:38イエスの頭の上には、「これはユダヤ人の王」と書いた札も掲げてあった。 23:39十字架にかけられていた犯罪人の一人が、イエスをののしった。「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ。」 23:40すると、もう一人の方がたしなめた。「お前は神をも恐れないのか、同じ刑罰を受けているのに。 23:41我々は、自分のやったことの報いを受けているのだから、当然だ。しかし、この方は何も悪いことをしていない。」 23:42そして、「イエスよ、あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言った。 23:43するとイエスは、「はっきり言っておくが、あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる」と言われた。

23:44既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。 23:45太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。 23:46イエスは大声で叫ばれた。「父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。」こう言って息を引き取られた。 23:47百人隊長はこの出来事を見て、「本当に、この人は正しい人だった」と言って、神を賛美した。 23:48見物に集まっていた群衆も皆、これらの出来事を見て、胸を打ちながら帰って行った。 23:49イエスを知っていたすべての人たちと、ガリラヤから従って来た婦人たちとは遠くに立って、これらのことを見ていた。

23:50さて、ヨセフという議員がいたが、善良な正しい人で、 23:51同僚の決議や行動には同意しなかった。ユダヤ人の町アリマタヤの出身で、神の国を待ち望んでいたのである。 23:52この人がピラトのところに行き、イエスの遺体を渡してくれるようにと願い出て、 23:53遺体を十字架から降ろして亜麻布で包み、まだだれも葬られたことのない、岩に掘った墓の中に納めた。 23:54その日は準備の日であり、安息日が始まろうとしていた。 23:55イエスと一緒にガリラヤから来た婦人たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスの遺体が納められている有様とを見届け、 23:56家に帰って、香料と香油を準備した。婦人たちは、安息日には掟に従って休んだ。
24:01

そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。 24:02見ると、石が墓のわきに転がしてあり、 24:03中に入っても、主イエスの遺体が見当たらなかった。 24:04そのため途方に暮れていると、輝く衣を着た二人の人がそばに現れた。 24:05婦人たちが恐れて地に顔を伏せると、二人は言った。「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。 24:06あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。まだガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。 24:07人の子は必ず、罪人の手に渡され、十字架につけられ、三日目に復活することになっている、と言われたではないか。」 24:08そこで、婦人たちはイエスの言葉を思い出した。 24:09そして、墓から帰って、十一人とほかの人皆に一部始終を知らせた。 24:10それは、マグダラのマリア、ヨハナ、ヤコブの母マリア、そして一緒にいた他の婦人たちであった。婦人たちはこれらのことを使徒たちに話したが、 24:11使徒たちは、この話がたわ言のように思われたので、婦人たちを信じなかった。 24:12しかし、ペトロは立ち上がって墓へ走り、身をかがめて中をのぞくと、亜麻布しかなかったので、この出来事に驚きながら家に帰った。

24:13ちょうどこの日、二人の弟子が、エルサレムから六十スタディオン離れたエマオという村へ向かって歩きながら、 24:14この一切の出来事について話し合っていた。 24:15話し合い論じ合っていると、イエス御自身が近づいて来て、一緒に歩き始められた。 24:16しかし、二人の目は遮られていて、イエスだとは分からなかった。 24:17イエスは、「歩きながら、やり取りしているその話は何のことですか」と言われた。二人は暗い顔をして立ち止まった。 24:18その一人のクレオパという人が答えた。「エルサレムに滞在していながら、この数日そこで起こったことを、あなただけはご存じなかったのですか。」 24:19イエスが、「どんなことですか」と言われると、二人は言った。「ナザレのイエスのことです。この方は、神と民全体の前で、行いにも言葉にも力のある預言者でした。 24:20それなのに、わたしたちの祭司長たちや議員たちは、死刑にするため引き渡して、十字架につけてしまったのです。 24:21わたしたちは、あの方こそイスラエルを解放してくださると望みをかけていました。しかも、そのことがあってから、もう今日で三日目になります。 24:22ところが、仲間の婦人たちがわたしたちを驚かせました。婦人たちは朝早く墓へ行きましたが、 24:23遺体を見つけずに戻って来ました。そして、天使たちが現れ、『イエスは生きておられる』と告げたと言うのです。 24:24仲間の者が何人か墓へ行ってみたのですが、婦人たちが言ったとおりで、あの方は見当たりませんでした。」 24:25そこで、イエスは言われた。「ああ、物分かりが悪く、心が鈍く預言者たちの言ったことすべてを信じられない者たち、 24:26メシアはこういう苦しみを受けて、栄光に入るはずだったのではないか。」 24:27そして、モーセとすべての預言者から始めて、聖書全体にわたり、御自分について書かれていることを説明された。 24:28一行は目指す村に近づいたが、イエスはなおも先へ行こうとされる様子だった。 24:29二人が、「一緒にお泊まりください。そろそろ夕方になりますし、もう日も傾いていますから」と言って、無理に引き止めたので、イエスは共に泊まるため家に入られた。 24:30一緒に食事の席に着いたとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱え、パンを裂いてお渡しになった。 24:31すると、二人の目が開け、イエスだと分かったが、その姿は見えなくなった。 24:32二人は、「道で話しておられるとき、また聖書を説明してくださったとき、わたしたちの心は燃えていたではないか」と語り合った。 24:33そして、時を移さず出発して、エルサレムに戻ってみると、十一人とその仲間が集まって、 24:34本当に主は復活して、シモンに現れたと言っていた。 24:35二人も、道で起こったことや、パンを裂いてくださったときにイエスだと分かった次第を話した。

24:36こういうことを話していると、イエス御自身が彼らの真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた。 24:37彼らは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思った。 24:38そこで、イエスは言われた。「なぜ、うろたえているのか。どうして心に疑いを起こすのか。 24:39わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。亡霊には肉も骨もないが、あなたがたに見えるとおり、わたしにはそれがある。」 24:40こう言って、イエスは手と足をお見せになった。 24:41彼らが喜びのあまりまだ信じられず、不思議がっているので、イエスは、「ここに何か食べ物があるか」と言われた。 24:42そこで、焼いた魚を一切れ差し出すと、 24:43イエスはそれを取って、彼らの前で食べられた。 24:44イエスは言われた。「わたしについてモーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある事柄は、必ずすべて実現する。これこそ、まだあなたがたと一緒にいたころ、言っておいたことである。」 24:45そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、 24:46言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。 24:47また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、 24:48あなたがたはこれらのことの証人となる。 24:49わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」

24:50イエスは、そこから彼らをベタニアの辺りまで連れて行き、手を上げて祝福された。 24:51そして、祝福しながら彼らを離れ、天に上げられた。 24:52彼らはイエスを伏し拝んだ後、大喜びでエルサレムに帰り、 24:53絶えず神殿の境内にいて、神をほめたたえていた。


ros doa angel doa ros

0 nhận xét to" ルカによる福音 (二十一、二十二、二十三、二十四章) "

Post a Comment

Facebook Twitter Delicious Favorites More

 
Lên đầu trang
Xuống cuối trang